海外渡航時にネット接続する選択肢として、eSIMとレンタルWi-Fiがありますが、利便性で考えるならeSIM、複数人でのシェアを考えるならレンタルWi-Fiがおすすめです。
eSIMとレンタルWi-Fiを一覧表で比較
方法 | eSIM | レンタルWi-Fi |
---|---|---|
料金 | 安い | 高い |
受取方法 | ネットで完結 | 郵送または店舗 |
接続設定 | スマホの設定のみ | Wi-Fi機器への接続が必要 |
複数人の同時利用 | 基本的に1人で利用 | 可能 | 複数人で共有
紛失・破損リスク | ない | Wi-Fi端末の紛失リスクがある |
対応デバイス | SIMを設定したスマホのみ(テザリングは可能) | スマホ、PC、タブレットなどWi-Fi機器全般 |
おすすめなのはどっち?
eSIMがおすすめの人 | レンタルWi-Fiがおすすめの人 |
---|---|
オンラインですべての手続きを完結したい人 持ち運ぶ端末を減らしたい人 急いで通信手段を確保したい人 料金を少しでも割安にしたい人 | 家族や友人などグループで行動する人 ビジネスで利用する人 複数端末を同時利用する人 |
ここでは、eSIMとレンタルWi-Fiのメリット・デメリットを比較していきます。
海外渡航でeSIMを使うメリット
海外渡航でeSIMを使うメリットは、以下のとおりです。
- 設定から接続までオンラインで完結できる
- 持ち運びの手間がない
- 1つの端末に複数インストールできる
- レンタルWi-Fiよりも割安になる
設定から接続までオンラインで完結できる
eSIMはインストールから設定、ネットワーク接続まですべてオンラインで完結できるため、物理的なSIMカードを購入する必要がありません。
そのため、申し込み後すぐに利用開始が可能で、最短即日でネット接続を開通できます。
特に、急な海外出張や旅行の際にも便利です。
スマホ上の設定だけでアクティベートできるため、スムーズにインターネット環境を整えられるのが大きなメリットです。
持ち運びの手間がない
eSIMは物理的なSIMカードを使用しないため、余計なカードを管理する必要がありません。
従来のSIMカードの場合、小さなカードを紛失したり、入れ替え時に破損したりするリスクがありましたが、eSIMならそのような心配は無用です。
また、レンタルWi-Fiのようにルーターを持ち歩く必要もないため、荷物が増える心配もありません。
レンタルWi-Fiはサイズがかさばるだけでなく、充電が必要であったり、万が一紛失・破損すると追加費用が発生するケースもあります。
eSIMであればスマートフォン1台で完結し、常に持ち歩く端末に組み込まれているため、管理もシンプルで安心です。
1つの端末に複数インストールできる
eSIMは、1つの端末に複数のプロファイルをインストールできるため、滞在国や利用するキャリアに応じて簡単に切り替えが可能です。
たとえば、海外旅行中に国をまたぐ場合でも、新しいSIMカードを購入することなく、設定から数タップで現地の通信プランを適用できます。
出張が多い方や、異なる国の通信プランを利用したい方にとって、非常に便利な選択肢となります。
レンタルWi-Fiよりも割安になる
一般的に、eSIMはレンタルWi-Fiと比較して割安な価格で利用できる傾向にあります。
たとえば、レンタルWi-Fiは1日あたり1,500円前後が相場ですが、eSIMであれば1日あたり1,000円未満で利用できるプランが多数存在します。
さらに、レンタルWi-Fiの場合、渡航前に申し込み・受け取り・返却といった手間が発生しますが、eSIMならオンラインで申し込み、即時利用開始できるため、時間的コストも削減できます。
長期滞在や頻繁に海外に行く方にとって、eSIMはより経済的な選択肢といえるでしょう。
海外渡航でeSIMを使うデメリット
海外渡航でeSIMを使うデメリットは、以下のとおりです。
- 対応できる機種が限定される
- 初心者には設定がやや面倒
- 複数で共有するのに向かない
対応できる機種が限定される
eSIMの場合、対応できる機種と対応できない機種があります。
iPhoneだと2019年より前の機種はeSIM対応していませんし、Androidだと2022年より前の機種はほとんどeSIMに対応できていません。
古い端末を利用したい場合は、eSIMは選択肢から外れてしまうのです。
もっと詳しく:eSIM対応機種一覧【iPhone / Android】
初心者には設定がやや面倒
eSIMの設定は、レンタルWi-Fiに比べると多少複雑に感じる場合があります。
通常、以下のような手順が必要です。
- 渡航先と必要となるデータ容量から最適なeSIMプランを購入する
- 購入したeSIMをスマートフォンやタブレットにインストールする
- 海外到着後に接続設定をしてインターネットを利用する
このステップは、慣れていないと面倒に感じるのは間違いありません。
ただし、スマホの利用に慣れているユーザーであれば、困難を感じるほどではないでしょう。
複数で共有するのに向かない
eSIMは個人利用には適していますが、複数人でのネット接続にはあまり向いていません。
もちろん、スマートフォンのテザリング機能を使えば家族や友人とインターネットを共有することは可能ですが、いくつか制約があります。
- 通信速度の低下: テザリングを通じて複数のデバイスを接続すると、通信速度が著しく低下することがあります。特に動画視聴やオンライン会議などのデータ量が多い用途では、快適な使用が難しくなります。
- データ容量の制限: eSIMのプランは個人向けが多いので、複数人で使うとすぐにデータ容量を使い切ってしまうリスクがあります。
- バッテリー消費の増加: テザリングはバッテリー消費が激しく、スマートフォンが短時間でバッテリー切れになる可能性があります。
海外渡航でレンタルWi-Fiを使うメリット
海外渡航でレンタルWi-Fiを使うメリットは、以下のとおりです。
- 複数の端末で利用できる
- 設定方法が単純で利用しやすい
複数の端末で利用できる
レンタルWi-Fiの最大のメリットは、複数の端末で同時にインターネット接続が可能なことです。
1台のルーターでスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機などを接続できます。
レンタルWi-Fiは、特に以下のようなシーンで重宝します。
- 家族旅行やグループで旅行する場合:全員が個別のSIMカードを用意する必要がなく、1台のWi-Fiルーターをシェアすることでコストを抑えられます。
- ビジネスで利用する場合:ノートパソコンやタブレットでのオンライン会議、ファイル送信もスムーズに行えるため、仕事の効率を維持できます。
- 複数デバイスを使う場合:スマホとタブレット、ラップトップなど複数の端末を使い分ける方に最適です。
設定方法が単純で利用しやすい
レンタルWi-Fiは、接続設定が非常に簡単です。
操作方法は、カフェや空港などのフリーWi-Fiとほぼ同じで、以下の手順で簡単に接続が可能です。
- レンタルWi-Fiの電源をオンにする
- 端末のWi-Fi設定を開き、表示されるネットワーク名(SSID)を選択する
- 付属の案内書またはルーター本体に記載されているパスワードを入力する
- 接続完了!インターネットが利用できる!
海外渡航でレンタルWi-Fiを使うデメリット
海外渡航でレンタルWi-Fiを使うデメリットは、以下のとおりです。
- WiFiルーターの受け取りや返却の手間がかかる
- 持ち歩く荷物が増える
- Wi-Fiルーターの充電が必要になる
Wi-Fiルーターの受け取りや返却の手間がかかる
レンタルWi-Fiは事前に機器を受け取る必要があり、受け取りと返却の手続きが面倒に感じる場合があります。
レンタルWi-Fiは、一般的に空港カウンターでの受け取りか自宅配送を選べます。
しかし、空港では営業時間に制限があったり、繁忙期には列に並ぶ必要もあるでしょう。
また、自宅配送の場合も受け取り日時を調整しなければならず、スケジュールがタイトな人には不便です。
返却時は空港カウンターでの返却BOXに入れればOKですが、うっかり返却を忘れて遅延が発生すると、追加料金が発生することがあります。
持ち歩く荷物が増える
レンタルWi-Fiは専用のルーター端末を常に持ち歩く必要があり、荷物が増えることもデメリットです。
持ち歩く荷物が増えることで嵩張ります。
レンタルWi-Fiは、ルーター本体に加えて、充電器やUSBケーブルなどがセットになっているので、コンパクトな旅行を目指す場合には不便です。
さらに、常に持ち歩く必要があるため、置き忘れや紛失のリスクが伴います。
レンタルWi-Fiを紛失すると、運営会社に連絡したり、追加料金を支払ったりと面倒なことになってしまいます。
Wi-Fiルーターの充電が必要になる
レンタルWi-Fiはバッテリー駆動のため、定期的な充電が必要です。
充電が不十分だと、突然インターネットが使えなくなり、地図アプリの使用や連絡手段が途絶えることがあるかもしれません。
特に1日中外出する日には、こまめな充電が不可欠です。
また、充電時はスマートフォンやカメラなど、他のデバイスの充電を同時にやる必要があるので、充電の管理も面倒です。
FAQ:よくある質問
eSIMがあればWi-Fiはいらないですか?
eSIMのインストールしたり、アクティベートしたりする際には、Wi-Fiなどの通信環境が必須です。
一度アクティベートできれば、現地ではWi-Fiなしで通信可能になります。
ですので、eSIMは渡航前にアクティベートするか、渡航先のフリーWi-Fiを利用してアクティベートするようにしましょう。
eSIMは何日前に買うべきですか?
eSIMは海外渡航前に購入しておくのがおすすめで、渡航の1週間くらい前を目安に購入しましょう。
接続設定は出発直前でOKです。
eSIMはどのような手順で利用できますか?
eSIMのインストールまでを渡航前に完了させておき、現地に到着したら接続を開通しましょう。
もっと詳しく:海外eSIMの使い方は?
eSIMだとメッセージアプリやSNSはそのまま利用できますか?
基本的にスマホを買い替えない限りは、SMSや電話着信非対応のeSIMにしても、LINEなどのメッセージアプリや、SNSはそのまま利用可能です。
まとめ
eSIMとレンタルWi-Fiを比較してみました。
eSIMとレンタルWi-Fiを一覧表で比較
方法 | eSIM | レンタルWi-Fi |
---|---|---|
料金 | 安い | 高い |
受取方法 | ネットで完結 | 郵送または店舗 |
接続設定 | スマホの設定のみ | Wi-Fi機器への接続が必要 |
複数人の同時利用 | 基本的に1人で利用 | 可能 | 複数人で共有
紛失・破損リスク | ない | Wi-Fi端末の紛失リスクがある |
対応デバイス | SIMを設定したスマホのみ(テザリングは可能) | スマホ、PC、タブレットなどWi-Fi機器全般 |