海外でeSIMを利用する際にVPNが必要になるケースとして、「フリーWi-Fiを使うとき」「海外から日本のコンテンツを見るとき」「現地のネット検閲を回避するとき」が挙げられます。
- フリーWi-Fiを使うとき
- 海外から日本のコンテンツを見るとき
- 現地のネット検閲を回避するとき
この記事では、海外旅行や海外出張でeSIMを利用する際に、VPNが必要となるケースについて解説していきます。
VPNとは?
VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)の略で、仮想専用線のことです。
VPNを使うことで、セキュリティが大幅に強化され、第三者やサイバー犯罪者からインターネット通信の安全性やプライバシーを保護できるようになります。
機密事項を扱う企業では、社内ネットワークにアクセスするのにVPNが使われています。


また、VPNのもう一つの特徴は、自分の居場所を偽装できることです。
たとえば、韓国に居るのに日本に居るように振る舞ったり、日本に居るのにアメリカに居るように振る舞うことが可能です。
個人でも、フリーWi-Fiなどの安全性が脆弱な場所において、インターネットを利用するときのセキュリティ強化に役立つのがVPNです。
この自分の現在地を偽装できる機能を使うと、さまざまな裏技が利用できるようになります。
VPNは日本を含むほとんどの国で合法とされています。
VPNを違法としたり、利用を制限したりする国は、世界の中でも数えるほどしかありません。
VPNを利用するメリット
個人がVPNを使う場合のメリットは、以下5つです。
- フリーWi-Fi利用時のセキュリティを守れる
- 海外から日本の動画やサイトにアクセスできる
- 日本から海外限定の動画やサイトににアクセスできる
- 航空券やホテルを安く予約できる
- サブスクを安く利用できる
もっと詳しく:個人がVPNを使うメリットを詳細解説
いずれも、セキュリティ強化(通信の暗号化)と、現在地の偽装によって得られるメリットです。
海外eSIMとVPNを併用すべき場面
ここからは、海外eSIMとVPNの併用が必要となる、3つの場面について解説していきます。
- フリーWi-Fiを使うとき
- 海外から日本のコンテンツを見るとき
- 現地のネット検閲を回避するとき
フリーWi-Fiを使うとき
eSIMの通信容量を節約するために、フリーWi-Fiを利用するケースも少なくないでしょう。
しかし、公共施設などで使えるフリーWi-Fiは、基本的に危険だと思うようにしましょう。
同じWiFiネットワークに飛び交うデータは、誰でも傍受できるからです。
通信データが暗号化されていても、やり取りを傍受されると、ハックされるリスクがあります。
特に、パスワード不要で誰でも使える以下のようなフリーWi-Fiを使う際には、特にセキュリティに関して注意が必要になります。
- カフェや飲食店のWi-Fi
- ホテルのWi-Fi
- 駅や公共施設のWi-Fi
- 電車や新幹線のWi-Fi
- 賃貸アパートのWi-Fi
これらのWi-Fiでネット接続する場合は、VPNを使って通信を暗号化することをおすすめします。
海外から日本のコンテンツを見るとき
海外にいると、「TVer」「アマプラ」「U-NEXT」など、日本のコンテンツを視聴できません。
日本で配信されているコンテンツは、著作権の縛りで日本でしか配信できないケースが多いからです。
実際に海外eSIMを使って、日本のコンテンツにアクセスするとエラー画面が表示されます。

たとえば、海外から見れない日本のサイト・アプリとして、以下のようなものが挙げられます。
サービスカテゴリー | 海外からアクセスできないサービス |
---|---|
動画配信サービス | U-NEXT、日本版Netflix、日本版アマプラ、日本版Hulu、TVer、ABEMA、Lemino、FODプレミアム、TBS FREE、TELASA、テレ朝動画、日テレ無料TADA、NHKオンデマンド、NHKプラス、ネットもテレ東、テレ東BIZ、楽天TV、バンダイチャンネル、dアニメストア、DMM TV、日本版ディズニープラス、DAZN、J SPORTSオンデマンド、SPOTV NOW、WOWOWオンデマンド、スカパー!番組配信、SPOOX、グリーンチャンネル、JRA競馬中継、ビデオマーケット、FANZA、ニコニコ動画 |
ラジオ・音楽配信サービス | radiko、レコチョク |
読み放題サービス | 楽天マガジン、ピッコマ、LINEマンガ |
フリマ・オークションサイト | メルカリ、ラクマ |
ショッピングサイト | セカイモン |
決済アプリ | PayPay、楽天Edy、えきねっと |
ゲーム | ドラクエ10、ウマ娘、呪術廻戦ファントムパレード、ネクソンのゲーム |
マッチングサービス他 | ペアーズ、with、Omiai、ワクワクメール、シティヘブン |
VPNを利用すると、海外に居ても日本に居るかのように振る舞えるので、この問題を解決して日本のコンテンツを見られるようになります。
現地のネット検閲を回避するとき
VPNは現地のネット検閲を回避する際にも有効です。
一部の国では、国の政策により海外のコンテンツへのアクセスを規制しています。
たとえば、中国では以下のようなサービスが規制されているので、アクセスできません。
カテゴリー | 中国で使えない | 中国で使える |
---|---|---|
SNS・メッセージアプリ | Line、Facebook、Instagram、X(Twitter)、WhatsApp、Messenger、Telegram、BeReal | 携帯電話のショートメッセージ |
検索エンジン | Google、Yahoo検索 | Bing |
メールアプリ | Gmail | Yahooメール、Outlook |
動画サイト・VODサービス | YouTube、Vimeo、ニコニコ動画、中国国外のVODサービス全般(Netflix、TVer等) | – |
ニュースサイト | BBC、ニューヨーク・タイムズ、ロイター | Yahoo |
コミュニケーションツール | Google Meet | ZOOM、Teams、Skype、WebEx、Slack、Chatwork、Trello |
クラウドストレージ | Google Drive、Dropbox、Box | One Drive、icloud |
ショッピング | Amazon Japan、メルカリ、ラクマ、楽天市場、Yahooショッピング | – |
生成AIサービス | ChatGPT、Claude3、Perplexity、Gemini、Grok | – |
その他 | Wikipedia | – |
VPNを使えば、ネット接続を暗号化して、現地のアクセス規制を回避できるようになります。
eSIMと併用するのにおすすめのVPN
eSIMと併用するのにおすすめのVPNは、「ExpressVPN」や「NordVPN」など世界大手のVPNです。
もっと詳しく知りたい方は、個人利用でおすすめのVPNサービスまとめをご覧ください。
中国の場合は使えるVPNが限定されるので、中国でも使えるVPNサービスをご確認ください。
VPN機能があるeSIMアプリなら自動的に併用できる
eSIMの中にはSailyのようにVPN機能がついたアプリを展開している事業者もあります。
Sailyのアプリを開くと、仮想場所という欄があるので、たとえば「日本」と設定すると、仮想場所として日本が設定されます。

この状態で、海外から日本のコンテンツにアクセスすると、以下のようにアクセス可能になるのです。

実際に仮想場所を日本にした状態でIPアドレスを確認すると、日本にいることになっています。

\仮想場所の機能付eSIM/
FAQ:よくある質問
VPNがなくてもeSIMは利用できますか?
eSIMを利用するときにVPNを利用するのは必須ではありません。
しかし、フリーWi-Fiを使う場合や、海外から日本限定のコンテンツを見る場合、現地のネット規制を回避する場合は、VPNを併用する必要があります。
政府による規制がある国はどこですか?
日本人がよく行く国だと中国です。
中国は国外のSNSやサイトの多くをブロックしているのでアクセスできません。
また、韓国、ベトナム、マレーシア、インドネシアなども一部のコンテンツをブロックしています。
VPNには通信機能はありますか?
VPNに通信機能はありません。
VPNはフリーWi-FiやeSIMなどでネット接続をした上で利用するものです。
まとめ
以上、海外でeSIMを利用する際にVPNを併用する必要性について解説しました。
- フリーWi-Fiを使うとき
- 海外から日本のコンテンツを見るとき
- 現地のネット検閲を回避するとき