海外からでもインターネット接続があれば3Dセキュアは基本的に利用可能です。
ただし、認証方法によっては注意が必要で、特にSMSで認証コードを受け取る設定にしている場合は、渡航先で受信できないリスクがあります。
今回は、海外で3Dセキュアを利用する方法と、特に注意すべき点について、分かりやすく解説していきます。
3Dセキュアを海外から利用する方法
海外からでも、インターネットに接続できる環境さえあれば、基本的には3Dセキュアを利用したオンライン決済が可能です。
その理由は、3Dセキュアがオンライン上で行われる本人確認の仕組みだからです。

物理的にどこにいるかよりも、認証に必要な情報(パスワードや認証コード)を受け取れるかどうかが重要になります。
具体的には、以下のような方法で認証を行います。
- メールアドレスで認証コードを受け取る場合: 渡航先のホテルやカフェのWi-Fi、あるいは現地のSIMカードなどでインターネットに接続し、登録したメールアドレスで認証コードを確認できれば問題なく決済を進められます。比較的、海外でも対応しやすい方法と言えるでしょう。
- 専用アプリで認証する場合: カード会社が提供する専用スマートフォンアプリを使って認証コードを発行したり、アプリ上で承認したりする方式です。アプリがインストールされたスマートフォンがあり、インターネットに接続できれば利用できます。指紋認証や顔認証に対応しているアプリもあり、便利です。ただし、スマートフォンの機種変更時などに再設定が必要になる場合があります。
- 固定パスワードを入力する場合: 事前に自分で設定したパスワードを入力する方式です。インターネット環境さえあれば場所を選ばず利用できますが、パスワードが漏洩するリスクを考えると、セキュリティ面では次に紹介するワンタイムパスワード(メールやアプリ、SMSで都度発行されるもの)の方が安全性が高いと言われています。
このように、認証方法によっては海外からでもスムーズに利用できます。
海外での通信方法はさまざまですが、おすすめなのはネットだけで申し込みが完結できるeSIMです。

3Dセキュアを海外から利用する際の注意点
海外で3Dセキュアを利用する際に、最も注意が必要なのは、認証コードをSMS(ショートメッセージサービス)で受け取る設定にしている場合です。
なぜなら、日本で契約している携帯電話番号宛てのSMSが、海外渡航中に受信できないケースがあるためです。
SMSが届かなければ認証コードを入力できず、結果としてクレジットカード決済が完了しません。

実際に、海外でSMSが受信できなくなるのは、主に以下のような状況です。
国際ローミングが利用できない・設定していないとき
契約している携帯電話会社のプランが国際ローミング(海外で日本の携帯番号を使えるようにするサービス)に対応していなかったり、対応していても設定をオフにしていたりすると、海外でSMSを受信できません。
特に、一部の格安SIMプランでは、国際ローミング自体に対応していない場合もあるため、事前の確認が不可欠です。
現地のeSIMやSIMカードに入れ替えている
渡航費用を抑えるために、スマートフォンに現地のeSIMやSIMカードを入れて利用する方も多いでしょう。
しかし、SIMカードを入れ替えると、当然ながら日本の携帯電話番号でのSMS受信はできなくなります。
最近増えているeSIM(本体組み込み型のSIM)で現地のプランを利用する場合も同様です。
3Dセキュアができないと思わぬトラブルに【事前の対策が必須】
SMSを利用できずにクレジットカードの3Dセキュア認証(SMS)を完了できないとカードを使った決済ができません。
現地にいるときにネットショッピングができないだけならまだしも、航空券の購入や、急なホテルの予約ができないと大きなトラブルになりかねません。
そのため、SMS認証を利用する場合の対策としては、以下のことをあらかじめ確認しておきましょう。
- 渡航前に、携帯電話プランが国際ローミング(特にSMS受信)に対応しているか確認する。
- 対応している場合は、必要に応じて国際ローミングの設定をオンにしておく(ただし、ローミング利用料が発生する場合があります)。
- 認証方法をメールアドレスや専用アプリに変更しておく。
- メインカードだけでなく、サブカードなど複数のクレジットカードで3Dセキュアの設定を済ませておく(万が一どれか1枚が使えなかった場合でも安心です)。
FAQ:よくある質問
海外での3Dセキュアについて、よくある質問をまとめました。
自分のカードが3Dセキュアに対応しているか、どうすれば分かりますか?
お持ちのクレジットカードを発行している会社のウェブサイトや、会員向けのオンラインサービスで確認するのが一般的です。
「本人認証サービス」といった項目や、利用しているカードブランドに応じて「Visa Secure(ビザセキュア)」「Mastercard ID Check(マスターカードアイディーチェック)」「J/Secure(ジェイセキュア)」「American Express SafeKey(アメリカンエキスプレスセーフキー)」といった名称で案内されていることが多いです。
もしウェブサイトで見つけられない場合は、カード裏面に記載されている電話番号に問い合わせて確認してみましょう。
SMS認証以外には、どんな認証方法がありますか?
カード会社によって採用している認証方法は異なりますが、主に以下のようなものがあります。
固定パスワード認証: 事前にご自身で設定した特定のパスワードを入力する方式です。手軽ですが、パスワードの管理には注意が必要です。
メールアドレス認証: 登録したメールアドレス宛に、決済時のみ有効なワンタイムパスワードが送られてきます。海外でもWi-Fiなどのインターネット環境があればメールを確認できるため、比較的利用しやすい方法です。
専用アプリ認証: カード会社が提供しているスマートフォンアプリを利用します。アプリがワンタイムパスワードを表示したり、アプリ上で「承認」ボタンを押したりすることで認証が完了します。
どの方法が利用できるかは、カード会社のウェブサイト等で確認してください。
国際ローミングとは何ですか?
国際ローミングとは、普段日本で使っているスマートフォンや携帯電話を、そのまま海外に持って行って、現地の提携している携帯電話会社の電波を使って通話やインターネット通信(データ通信)、SMSの送受信ができるようにするサービスのことです。
利用するには、ご自身の契約プランが国際ローミングに対応している必要があり、多くの場合、別途利用料金がかかります。
渡航前に携帯電話会社に対応状況や料金、設定方法を確認しておくと安心です。
ただし、ahamoのようなサービスを使うと、追加料金なしで国際ローミングが可能になるので便利です。
もっと詳しく:海外でahamoを使ってみた
まとめ
海外旅行中のオンラインでのクレジットカード決済を安心して行うために、3Dセキュアは今や欠かせない仕組みとなっています。
インターネット接続があれば、海外からでも3Dセキュアは利用できますが、認証方法がSMSになっている場合は要注意です。
渡航先でSMSを受信できるか(国際ローミング対応状況や設定)を必ず事前に確認しましょう。
SMS受信に不安がある場合や、より確実に利用したい場合は、認証方法をメールアドレスや専用アプリに変更しておくことを強くお勧めします。