2021.02.03 インサイドセールス

インサイドセールスの立ち上げ方を解説!具体的なやり方と導入時の注意点

インサイドセールスは、その概念自体が比較的新しいうえに果たすべき使命が組織ごとに異なるため、役割や業務内容を明確に定義するのがなかなか難しいポジションです。
リード(見込み顧客)の育成から商談獲得まで社内で完結できるため効率的な反面、組織内での立ち位置をはっきりさせずに進めてしまうと狙った効果が得られにくい懸念もあります。そのような事態を避けるためにも、この記事ではインサイドセールスに積極的に取り組みたい営業担当者や導入検討している営業組織指導者/管理者に向けて、その導入方法と業務内容を解説します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスは前述の通り、組織によって担う役割が変わる場合があります。例えば、営業部内でフィールドセールスとインサイドセールスが分かれている企業においては「内勤営業、テレアポ部隊」という認識かもしれません。
一方で、マーケティング部直下に所属する場合にはMAツールを使用し、シナリオ設計から担当する「マーケター兼営業」という立ち位置の場合もあります。
インサイドセールスの概要や役割については以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

インサイドセールスの重要性と役割–コロナ前と後では何が変わるのか

インサイドセールスのやり方

インサイドセールスの概要についてお伝えしたところで、ここからは実際に導入し運用する方法をご紹介します。

体制を決める

まずは、どのような組織体制のもとインサイドセールスを導入するのか考えていきます。

自社の営業活動をどれくらいインサイドセールス化するのか

営業活動全体をインサイドセールスに任せていくのか、それとも営業活動の一部分をインサイドセールス化するのかを決めていきます。
部分的に取り入れたい場合には、「リード獲得からアポ取りまではインサイドセールスで、その先はフィールドセールスにバトンタッチ」のように具体的にイメージしておきます。

外注か、内製か

コスト面やスムーズな社内連携を優先したい場合には内製がおすすめですが、社内にノウハウがない場合は運用に乗るまでにそれなりの時間がかかってしまうかもしれません。社内の人員では間に合わない場合や、自社運用に不安があるときには外注することもできます。予算的に問題がなければノウハウを持つ外部業者に頼ってみるのも良いでしょう。

他部門との連携

インサイドセールス部隊がどの業務範囲を担当し、内製の場合にはどの部署の直下に置くのか検討します。担当者の業務範囲を明確にし、他部署との住み分けを図解化してみるとわかりやすく社内の共有がスムーズです。
運用後の業務バッティングや連携ミスを防ぐために、誰がどの範囲を担当し、どのように情報共有・パス回しをしていくのか認識合わせをしておきましょう。

KPI・KGI設定

チーム単位のKPIを定め、それを達成できる個人単位のKPIを設定していきます。
「最初はアポの獲得件数、軌道に乗ってきたら商談件数に重きを置いて、最終的には受注件数までKPIに含める」など、フェーズごとにKPI基準を見直すことで、チームや担当者のレベルに合った効果的な目標設定ができます。
最初から受注件数にフォーカスすると、まだノウハウが溜まっていないので受注に繋がりにくく、モチベーション低下につながることがあるので注意が必要です。
その一方で、いつまでも架電数に重きを置くと「電話をかける数」ばかり優先してしまい商談の質を上げられない事態が考えられます。
このようなことを避けるためにも、マネージャーやリーダーレベルがしっかりと組織の今の実力を把握しておく必要があります。

シナリオ設計

自社サイトやLP、ホワイトペーパーなどに記載された様々な情報を、どのタイミングでどのような状態の顧客に提供するのか検討します。
例えば、MAのスコアを基に、まだ温度の低いリードには興味を惹きそうなお役立ち情報、温度の高いリードには自社サービスのトライアルプランなど、それぞれの見込み顧客の興味レベルに合う情報提供に繋げると効果的です。

PDCAを回す(効果測定の仕方含め)

設定したKGI及びKPIの達成度を定期的に振り返り、組織内で見直します。
マーケティング担当者・営業担当者・インサイドセールス担当者がそれぞれいる場合には、責任者が集まりフィードバックをする場も設けます。
その振り返り内容をもとに今後の動き方・連携方法を見定めていきましょう。

インサイドセールスの業務の流れ

組織体制と運用の流れが分かったところで、それではインサイドセールス担当者は具体的にどのような業務を担当するのでしょうか。
業務範囲や動き方は組織体制により違いが出てきますので、パターン別に紹介します。

インサイドセールス専任の場合

専任部隊がある場合、インサイドセールスはリードの育成からアポ/商談獲得までを担当することが一般的です。具体的にはインバウンドのリードに架電でアプローチをしたり、商談化していない既存リードに対し継続的にアプローチを図ることでホットリードに育て上げます。
アプローチの際には架電だけでなく、メールでコミュニケーションを取る場合もあり、営業担当者のやり方やリードの検討段階によってもその方法は様々です。
リード育成のどの段階までを担当するのか(アポ獲得までなのか、サービスのデモまでなのか、概算見積もりの提出までなのか)は組織の営業部隊が何を求めているかにもよりますので、担当内で擦り合わせておく必要があります。

マーケター兼務の場合

インサイドセールス専任と基本的な業務はほぼ変わりませんが、そこにマーケ的な視点と業務が加わるような形です。このパターンの場合、MAツールを使った分析やナーチャリングのためのメルマガ発行やコンテンツの検討・用意といった付帯業務が出てくるため、マーケター寄りの業務内容も多く営業件数は少なくなりやすいです。
案件化した際には部署をまたいで営業担当へ引き継ぐことになるので、情報共有は念入りに行う必要があります。SFAやCRM連携のできるMAツールを導入しておくと、営業部に引き渡す際に情報を再入力する手間が省けるので便利です。

フィールド兼務の場合

インサイドセールスを「テレアポ」のような形で担い、リード化から育成、そしてそのまま案件化まで担当します。このスタイルは以前より存在していたので、あえて「インサイドセールス」と呼ぶ必要はないかもしれません。営業担当者の負担が最も大きく、リード創出から見込み顧客とのコミュニケーション、商談や見積もりまで守備範囲を広げるため、求められるスキルや経験の幅も広くなります。
かなり属人的になることと、効率面で考えたときに懸念点がありますので、組織がある程度大きい場合はインサイドとフィールドをそれぞれ専任で立てることを視野に入れましょう。

インサイドセールス導入の注意点

最後に、インサイドセールス立ち上げにおいての注意点をお伝えしていきます。
ポイントは(1)目的の明確化、(2)役割分担、(3)ツール導入の3つあり、最も重要なのは「目的の明確化」です。以下にそれぞれ詳しく記載していますので、組織体制を検討する際の参考になさってください。

(1)目的の明確化

前項にて「インサイドセールス部隊の業務範囲を明確にする」とお伝えしましたが、インサイドセールスには決まったパターンがあるわけではありません。そのため、実際に取り入れる際には、どの組織の中で、どこからどこまでの役割を担うのか?など細かい部分まで決めておく必要があります。
業務範囲を明確にする目的でも、自社にはどのような営業課題があり、それをどのような手段で解決するべきなのかは最低限明確にしておきましょう。
自社課題の解決手段としてインサイドセールスの導入が得策という結論に至るのであれば取り入れるべきですし、そうでなければマーケターや営業担当者の業務見直しで十分な場合もあります。

(2)役割分担

インサイドセールスは、マーケティング部と営業部のちょうど間に立つ役割を担います。
つまり、組織によってはマーケ寄りの業務内容になる可能性もあれば、営業寄りになることもあります。正解はありませんが、業務被りや漏れを防ぐためにも自社内での共通認識を取っておきましょう。

(3)ツール導入

インサイドセールスを立ち上げる際には、SFA・MAツール・Web会議システム・オンライン商談システムなど、インサイドセールスの業務を円滑に進めるために必要なツールを取り入れ、最適な環境整備を行いましょう。
特に情報共有はインサイドセールスにとって肝であり、自社の既存システムや営業プロセスにマッチして、スムーズな連携ができるツール選びは重要です。また、リードとの関係性醸成がミッションであるインサイドセールスにとって、顧客情報は戦略を立てる上での判断材料であり、目的を達成するための武器となります。顧客情報を適切に管理できないと「ただ架電するだけのテレアポ部隊」になる可能性もありますので、顧客情報の取りこぼしが無いよう適切なツール選びをおすすめします。

また、オンライン商談ツールの選び方については以下の記事にまとめていますので、良ければ参考にしてみてください。

オンライン商談ツール人気の6つを比較|導入のメリットと成果に繋がるコツ

まとめ

インサイドセールスは営業活動を効率化するだけではなく、継続的なコンタクトによって質の高いリードに育成し、商談の確度を高める可能性を秘めています。目的と業務分担を明確にし、自社に合う取り入れ方を見つけて営業組織の成果アップに繋げていきましょう。